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「中鎖脂肪酸と健康管理」   ~毎日の食事からできる代謝の整え方~

2025年6月1日

今月のグローバルスキャンは 2024年 10月に発表された論文を要約してお届けいたします。

参考文献:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11539033/#fba21461-sec-0001

はじめに

食事は日々の健康を支える基盤ですが、食べ過ぎは肥満や2型糖尿病、心臓病などの健康問題を引き起こす原因となります。

特に肥満は、血糖や血中脂肪のバランスを乱し、代謝症候群を招くことで、体にさまざまな悪影響を及ぼします。

こうした代謝の問題に対して注目されているのが、中鎖脂肪酸(MCT)です。

そこで本研究では、中鎖脂肪酸が代謝機能にどのような影響を与えるのかを調べました。

どのような研究?

今回の研究は京都大学の協力を得て、計12週間にわたって実施されました。

16匹のマウスを対象に、脂質の種類が異なる2つの食事グループに分け、それぞれの影響を比較しました。
グループAには、動物性の脂肪酸(ラード)を含む食事を、
グループBには中鎖脂肪酸(MCT)を含む食事を与えました。(図1参照)

12週間の食事期間後、①体重②血糖値を測定し、体への影響を比較しました。

研究の結果

①体重
グループBでは、グループAに比べて体重増加が抑えられました。(グラフ1)

②血糖値
グループBでは、グループAに比べて血糖値が有意に低下しました。

さいごに

今回の研究では、中鎖脂肪酸を与えたグループBのマウスにおいて、体重の増加が抑えられ、血糖値も低く保たれる傾向が見られました。

これらの結果から、中鎖脂肪酸は代謝のバランスに良い影響を与える可能性が示唆されました。

日々の食事に中鎖脂肪酸を意識的に取り入れることで、無理のない体づくりや健康維持につながる可能性があります。

今後さらに研究が進めば、より具体的なメカニズムの解明や、食習慣への応用が広がっていくことでしょう。