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「ココナッツオイルの有効性」 ~オイルプリングによる歯の健康改善~

2024年12月1日

はじめに

虫歯は人類と同じくらい古くからある病気で、昔は虫歯の原因が『歯の虫』だと考えられていた時代もありました。

現在では、虫歯の主な原因は「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌であることが広く知られています。

抗菌性のマウスウォッシュは細菌の繁殖を防ぐために効果的で、日々のケアとして家庭で使用されていますが、これらの化学物質に関連した副作用も増えてきています。

一方で、オイルプリングはアーユルヴェーダ(インドの伝統医学)に由来する方法で、古代インドで口腔の健康を保つために行われていた自然で伝統的な治療法です。

オイルプリングには様々な効能があるとされ、歯茎の健康改善や口の乾き解消、唇のひび割れ改善、虫歯予防などが挙げられます。

そこで今回の研究では、抗菌作用や抗炎症作用があることで知られているココナッツオイルが、口腔の健康や歯の衛生を改善する効果について評価を行いました。

どのような研究?

今回の試験はインドのジャイプールにあるルース歯科大学の協力を得て、計2週間にわたって実施されました。

対象は健康状態が良好な6〜12歳の子供42名(女子23名、男子19名)とし、3つのグループにランダムに分けられました。(図1参照)

評価基準として、洗浄前後と試験終了後に唾液サンプルを採取して微生物学的検査を行い、コロニーの数における統計的なデータを算出しました。(図2参照)

試験の結果

今回の試験の結果、オイルプリングを行ったグループ Aとマウスウォッシュを使用したグループBでは、2週間後にはコロニー数の統計値に有意な減少が見られました。(表1参照)

※コロニー数の減少=虫歯のリスク減少

さいごに

今回の研究では、フッ化物入りマウスウォッシュとココナッツオイルを使用したオイルプリングの両方において、ミュータンス菌の数を有意に減少させる可能性が示唆されました。

化学処理された製品から、より自然で加工が少ない選択肢への移行が進んでいる現代において、オイルプリングは子どもの口腔衛生を維持する自然な手段として、今後さらに普及していくでしょう。